天皇の料理番という本を紹介します。福井の大庄屋の次男坊の篤蔵という男性が、料理人を目指し、そして最終的には天皇(天子様)の料理番にまで上り詰めるという立身出世の物語です。初め篤蔵は、蟹江連隊の田辺軍曹という主任に「カツレツ」をご馳走になりその味を忘れる事ができないという経験をし、そこから料理人を目指すという風に、運命がガラリと大きく変わることになります。初め篤蔵は料理を全く知らず、料理人に成る為には何をすればいいのか皆目わかりませんでした。でも料理人を目指すために東京に向かったのです。田辺軍曹が「チャンとした料理人に成ろうと思ったら、東京なり横浜なり、大きな都会の一流ホテルか料理店へ住み込んで、下っ端から修行しなければならん。」と教えたからでした。

そして東京へ出て何か月が過ぎた時、桐塚弁護士という人に華族会館という所の料理人になることを紹介してもらい、華族会館のコックに成ったのです。そして初めは皿洗いやジャガイモの皮むき、キャベツ刻みから一生懸命仕事をこなしていくのです。そうして料理人としての階段を一段ずつ登っていきます。それから天皇の料理番に成るまでは、フランスに渡って料理の本場で修業します。フランスに渡るのが、一流の料理人を目指している篤蔵の夢だったのです。

このような立身出世の物語ですが、とても仕事を目指すうえで必要なことが描かれていると思いました。大変役立つ本なので紹介致します。CIMG0321